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国体2度目そして最後の全国制覇!

 昭和43年(1968)の福井国体における優勝が、現時点では濟々黌水球部最後の全国制覇となっています。それまで国体では運に恵まれなかった済々黌の念願の二度目の国体制覇であることも合わせ、濟々黌水球部の歴史の中でも特筆すべき勝利の一つであることは間違いないと思います。この「最後の」という形容詞を外す日が来ることを願わずにはいられません。
 この大会の模様を平田忠彦先生著「日本高等学校水球三十年史」で振り返ってみました。この年の私の想い出は次回に述べたいと思います。
(柴田範房)


 第23回国体夏季大会は9月4日から7日まで福井運動公園水泳場(競泳)、福井市営三秀プールで行なわれた。国体が人口百万以下の県で実施されるのは今回がはじめてというわけで今後への一つのモデルケースといわれた大会であったが、「明るく、きよく、たくましく」というスローガンの通り、75万県民の一致団結した国体への協力はすばらしいものがあり大成功裏に大会は終了した。
 さて開会式は皇太子殿下をお迎えしての型通りのものであったが、明治百年というので選手宣誓の中にもそれがとりあげられて話題をよんだ。また県花水仙の裾模様の美しい和装のコンパニオンたちの福井駅での歓送迎も印象に残っている。
 水球には参加チーム20。かつてない数にのぼり、四日間の期間中での消化にやや無理を生ずるということで、次年度からは地域予選を行って16チームに限定することになったわけであるが、とにかく国体水球開始以来の最大参加数を記録した歴史的な大会であった。
 結果は熊本県が優勝したが決勝リーグの成績は次の通りであった。
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 濟々が会心のプレーで優勝候補筆頭の臼杵を破った。
 濟々は第1クォーター臼杵の荒いプレーからペナルティを拾って西田がまず1点。4分すぎには敷島からのパスで大分守備陣を右に振った西田が再び左から見事なシュートを決めた。第2クォーターは臼杵が泳力にものをいわせて攻めたて1点をかえしたが、濟々は第3クォーター2分すぎ浜田-敷島からのボールをエース西田がふり向きざまのあざやかなフローティングシュートを決め、さらに3分30秒、ペナルティーを加えて振り切った。インタハイ1位の臼杵は意外に元気がなく、ポイントゲッター西田をフルに生かした濟々のチームプレーに屈した。(長谷川)

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 濟々は臼杵に勝った安心感からか、この試合ではやや精彩を欠いた。エースの西田が徹底的にマークされたせいもあるが、点をとるとすぐに返され、つねにリードしながら結局は引き分けに持ち込まれてしまった。
 第2クォーター1分48秒、濟々は西田、浜田の連続シュートがゴールポストに当たってはね返り、相手GKがホッとしたすきに門司がすかさず押し込んで先行した。しかしその直後、新潟のすばやい反撃に正面を割られて1-1。さらに3分すぎ、門司の長いパスを受けた西田がクリーンシュートを決めたが、これも30秒後には返されて再びタイ。第4クォーターは柏崎ゴール前の混戦からダブルファウルをとられ、双方ペナルティーシュートを決めて3-3の引き分けに終わった。(長谷川)

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 濟々黌が前半積極的に攻めてリードを奪い、後半の長崎の追撃を振り切って待望の国体初優勝を果たした。
 第1クォーター1分11秒、濟々は西田のフリースローを敷島が受けて、ゴール左すみにシュートを決め1点先取。第2クォーターは動きの鈍くなった諫早陣に攻め入り、浜田-西田のリレーシュートで2点目をあげた。第3クォーターは、濟々が初めてセンターボールをとったが、諫早の早いつぶしで得点に結び付かず混戦。2分22秒西田がペナルティシュートを拾ったが、諫早はすぐペナルティを返した。
 第4クォーターは開始直後の22秒、諫早は林がペナルティシュートを決めて1点差に追いすがり、さらに激しく迫ったが、濟々も必死に動いてそのまま逃げ切った。この日の濟々黌は、前半のチームプレーで勝利を決めたが、81の反則が示すように後半は守る一方。攻めても得点にならなかったシュートが7つ。気力だけで勝ったような試合だった。(岩下)
(熊日紙)

 予選トーナメント
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(注)文中、「国体初優勝」とあるのは、昭和33年に水球が天皇杯得点種目となってからは初めての意。


平田先生を囲んで、前列左から敷島(3)、西田(3)、宮田(主将3)、谷口(3)
後列左から浜田(2)、松田(2)、神谷(2)、藤木(2)、門司(1)

■大会スナップ(各写真をクリックすると大きなサイズで見ることができます。)
 写真は上から順に
 ▼宿舎でのミーティング ▼予選トーナメント対城西高(東京)戦
 ▼予選トーナメント対茨木高(大阪)戦 ▼決勝リーグ対臼杵高(大分)に勝利
 ▼決勝リーグ対諫早商(長崎)戦 ▼ポイントゲッター西田
 ▼歓喜の平田先生のプール投げ込み ▼福井市民の熊本県応援団
 ▼優勝の表彰を受ける宮田主将 ▼閉会式で感涙にむせぶ選手たち

 

 

 

 

 

by swpc | 2011-11-16 16:44

ヘッダー写真:昭和36年、インターハイで二連覇し凱旋した熊本駅ホームで歓迎を受ける済々黌チーム


by swpc

Note

濟々黌水球部の歴史は戦後復興の始まりとともにスタートしました。以来今日まで65年、苦難と栄光の歴史をあらためて振り返り、未来への道標とすべく、このブログを開設いたしました。必ずしも時系列ではありませんが、少しずつエピソードをご紹介していきたいと思っています。また、OBその他関係者の皆様から「想い出話」の投稿をお待ちしています。また、お手持ちの写真がありましたら、ぜひご貸与ください。
平成23年8月
    柴田範房(昭和39年卒)
連絡先:
ugg99537@nifty.com

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